量子力学の原理を利用した計算手法。
古くにはフォン・ノイマンにより1982年に提案されている。
有名な利用法はピーター・ショアよって1995年に提案されたショアのアルゴリズム(素因数分解が多項式時間で計算可能)であり、これにより量子計算に注目が集まった。
とはいえ、このようなアルゴリズムを動かすには非常に多くの量子ビット(量子計算の単位)とある程度の時間が必要であり、原理的にノイズに対して極めて弱い量子計算機は現実的ではなかった。しかし、これまた1995年にショアによって提案された量子誤り訂正符号によって実現性を帯びた。
2020年現在では量子誤り訂正符号を組み込んだ大規模な量子計算機はまだ実現されていない。2019年にGoogleが「量子超越性を達成」と発表した53量子ビットの量子コンピュータなど、数十量子ビットが現状の限界である。Shorのアルゴリズムで2048ビットのRSA暗号を解読するには6000といった数の誤り訂正された量子ビットが必要であり(出典)、その1つの誤り訂正された量子ビット一つを実現する為にまたたくさんの物理量子ビットが必要になる。よってこういったものの実現には、(鋭意開発されているけれども)まだ50年とか100年とかの時間が必要と言われている。
一方、今実現しつつあるような、誤り訂正がない50~100量子ビット程度の量子計算機はNISQ(Noisy Intermadiate-Scale Quantum)計算機と言われ、こういったものの有効な利用法についても研究が行われている。
最終更新: 2020-10-20 17:14:20 +0900
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